Please tell me 〜ようこそテルミーの小部屋へ〜

♪Singer, Song Writer, Vocal Coach 稲葉照美のBlog

「想像ラジオ」

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九月も後半を迎えました。

被災地の復興支援(支援になっていたかどうか?)

に訪れたことを知った友人が

ぜひ読んでみてっ !!

と薦めてくれた物語が

いとうせいこうさんの著書「想像ラジオ」でした。

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震災で亡くなったことに気づかないまま

番組を続けるDJ。

それでも伝えたい、聞きたいことはただ一つ

私にはそう受け取れました。

読み終わったあと、泣けました。

それは、

「風の電話」風の電話 - Wikipedia

風の電話は心で話します 静かに目を閉じ 耳を澄ましてください 風の音が又は浪の音が 或いは小鳥のさえずりが聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい

その想いと重なったからです。

 

私は、二十歳過ぎに拡張型心筋症を発症しました。

当時は移植法もなく、当時の主治医からは余命宣告と

「海外で心臓移植することを考えましょう」

という言葉をいただいたのみで、

なんの手立てもなく、

「ここで人生を終わってもそれは仕方ない。

費用はこしらえられたとしても

そこまでして生きなくてもいい」と自分で判断しました。

20代はほぼ寝間着姿で

家で療養するしかなかったのですが。

その日々の中で朝、目覚めることが

どんなに嬉しかったことか。

朝起きて顔が洗える、「おはよう」と家族に言える、

それがどんなに幸せだったことか。

奇跡的に心臓は拡張せず、その代わり

致死性不整脈へと移行し

手術を受けることになったのですが

それから丸10年。

ようやく体が健康になれてきまして

当たり前がどんなに嬉しい幸せなことかを

忘れてしまっていました。

 

被災地で

「お父様の片腕だけが見つかって

それだけでお弔いをした」

ということをお伺いしました。

その方は

そのお父様の片腕に向かって

どんなに愛の言葉を

かけられたことでしょうね。

 

あなたがいてくれて私は嬉しい

あなたが愛してくれているように私もあなたを愛してる

いつもありがとう

あなたがくれた言葉に励まされたよ、ありがとう

今日もあなたと話せてよかった

 

それは、その時々で

どんなに暑苦しいと思われても

伝えなきゃダメなんです。

そんなことを思い出させてくれた作品でした。

 

いとうせいこうさんといえば..

この曲もちょうど秋の歌です。

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